こんにちは、ソムリエのたきてんです☺️


今回は酒類概論の知識編を解説していきますのでよろしくお願いします❗️


酒類概論の出題率はおよそ1〜3問程度かと思われます。


しかしソムリエとしての基本的な知識となりますのでしっかりと抑えていきましょう❗️


酒類飲料概論

 

1 ワインとは

ブドウ果実を原料とした醸造酒のことです。
そのままでも発酵可能な糖分を含んでいるためビールや日本酒のように糖化する工程は必要ありません。


その為ワインは原料となるブドウの性質を色濃く反映することとなります。


2 ワインの特性

1kgのブドウから造られるワインは600ml〜800ml、仕込み水などを一切使用しないのでブドウの品質に大きく由来します。


その為、ブドウの品質を決定する条件(産地の土壌、地形、日照、気温、雨量、品種)が重要となります。


原料は基本ブドウだけワインの酸味や渋味はワイン独自のものです。


・ブドウ由来の酸→酒石酸、リンゴ酸、クエン酸

・発酵によって生成した酸→コハク酸、乳酸、酢酸


3 ワインの風味

ワインの風味は香りと味に分けられます。


香り→第1アロマは原料ブドウ由来の特性香、第2アロマは発酵工程で酵母や乳酸菌が生成する香り、第3アロマはブーケともいい、発酵終了後、タンクまたは樽で貯蔵中に生成する熟成香と瓶詰め中に生成する熟成香を言います。


4 ワインの健康性能

ブドウが原料なのでミネラル、カリウム、カルシウムを多く含みます。


期待できる効果としては食欲増進、血行促進、ストレス解消、血栓病予防、心臓病リスク軽減、活性酸素除去が挙げられ、1日2〜3杯のワインを飲むと病気による死亡率が3割減ると言われています。
(この現象をフレンチパラドックスと呼びます)


5 ワインの分類

ワインは大きく分けて5つの種類に分類されます。

① スティルワイン

通常のワインのことです。


② スパークリングワイン

発泡性を持つワインです。


③ フォーティファイドワイン

醸造中にブランデー、またはアルコールを添加してアルコール分を15〜22%まで高め、ワイン自体に保存性を高めたものです。

代表的なものにスペインのシェリー酒、ポルトガルのポートワイン、マデイラ、イタリアのマルサラなどがあります。


⑤ フレヴァードワイン

ワインに薬草、果実、甘味料、エッセンスなどを加え、独特な風味をそえたものです。

ヴェルモット、リレ、レッチーナ、サングリアなどです。


6 品質分類

ワインには地理的表示付きか、そうでないかによって大別されます。


地理的表示付きについてはAOPとIGPに分けられます。

AOP定義→原産地呼称保護(英語:PDO、イタリア・スペイン・ポルトガル語:DOP、ドイツ語:gU)


品質と特徴が特殊な地理的環境に起因する、指定地域内で栽培されたブドウのみから醸造する、生産は指定地域内でする、原料はヴェニスヴェニラ種のブドウのみを使用します。


歴史的な背景やその土地由来の製品特許とされます。


IGP定義→地理的表記保護(英語:PGI、イタリア・スペイン・ポルトガル語:IGP、ドイツ語:ggA)


生産地に起因する品質・名声・特徴がある、指定地域内で栽培されたブドウを85%以上使用する、生産は指定地域内で行う、原料はヴェニスヴェニラ種、及びヴィティスヴィフェララ種と他の交配種を使用します。


AOPよりは力が弱く、歴史よりは産地に重点を置いたものです。

※AOCはフランス独自の原産地呼称統制制度


7 ラベル表記

主な義務記載事項→製品のカテゴリー、AOPまたはIGPのワインは表記、アルコール度数、原産地、瓶詰め業者(スパークリングは生産者と販売者)、スパークリングは残糖量の表示、収穫年(85%以上を使用する)、原料のブドウ品種、スパークリングワイン以外の残糖量の表示、AOP・IGP・のシンボルマーク、生産方法に関する記述です。


8 栽培地域のゾーン指定


栽培地域によってゾーン区分が設定されています。
試験にはほぼ出てきませんが念の為紹介します。

ゾーンA:ドイツ

ゾーンB:フランス(ロワール、アルザス、シャンパーニュ等)

ゾーンC1:フランス(ボルドー、ブルゴーニュ等)イタリア北部、スペイン

ゾーンC2:フランス南部、イタリア、スペイン

ゾーンC3a:ギリシャ

ゾーンC3b:フランス(コルス等)、イタリア南部、スペイン、ポルトガル、ギリシャの一部などです。


9 ブドウ栽培に関する条件

フランスではブドウ栽培の育成条件が良い畑は格付けされブランド化されます。


① 気温→年間平均気温が10℃〜20℃

② 日照→生育期間の日照時間は1000時間〜1500時間

③ 水分→年間降雨量500mm〜900mmが望ましい

④ 土壌→痩せた砂利、礫質土壌が適している


水はけが悪いとブドウ中の水分が過剰に増えてしまうので痩せた礫質土壌が良いとされています。
ブドウ畑が斜面に沿って栽培されている理由は日照がよく当たり、水はけが良いためなのです。


10 栽培方法

栽培方法は大きく5つに分類されています。


① 垣根仕立て

世界的に広く実施されています。

ボルドー、ブルゴーニュ、ドイツ、イタリアなどです。


② 棒仕立て

急斜面で畑を栽培者が上下左右に動き易いような仕立てがとられます。

モーゼルなどです。


④ 株仕立て

主幹上部に短梢を不規則にとります。

乾燥地で樹勢の強くない品種向けです。

南フランス、スペイン、ポルトガルなどです。


⑤ 棚仕立て

降雨の多い、もしくは日差しが強すぎる場所で採用します。

目の高さにブドウが成り、手入れし易いことから食用ブドウに適して います。

日本、イタリア、ポルトガルの一部、エジプトなどです。


11 ブドウの病害

ブドウの病害についても出題されますので覚えておきましょう。


① カビ(糸状菌類)

1) ベト病

花や葉、果実に白いカビ状の胞子が形成され落花、落葉、落果させます。

防徐対策としてボルドー液を散布します。


2)灰色カビ病

湿度の高い環境下で花や葉、果粒を灰褐色のカビが覆ってしまいます。

予防や防除にイプロジオン水和剤を使用します。

 反面、完熟ブドウにこの菌が付くと貴腐ブドウとなり、貴腐ワインの原料となります。


3) ウドンコ病

若枝、または育成中のブドウが白い粉状の胞子で覆われてしまい、果粒が裂かれミイラ化、あるいは腐敗します。

防除には硫黄使用します。


4) 晩腐病

収穫期のブドウを腐敗させ、被害拡大も急速なものです。(日本では最大被害)

防除には羅病結果母枝や巻きひげを園内から取り除き、休眠期にベンレートを散布します。


② その他の病気

1) ウィルス病

約20種類あるが、ブドウリーフロール、フレックス、コーキーバークなどが代表です。

ウィルスフリーブドウ樹の育成で対策をします。


2) フィロキセラ

アブラムシの一種で植物の根や葉に寄生してブドウ樹を枯木に致しめます。

対策として耐性のある接木苗が用いられます。

フィロキセラの病害は凄まじく、フランスのブドウ畑を壊滅寸前まで追い込んだ歴史があります。


12 国別ワインデータ

各国のワイン生産量は以下の通りです。


①  生産量順位 2017年度調査

1位イタリア、2位フランス、3位スペイン、4位アメリカ、5位アルゼンチン

② 年間ワイン消費量 OVI 2017年調査

1位アメリカ、2位フランス、3位イタリア、4位ドイツ、5位中国


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最後までご覧くださいましてありがとうございます🙇‍♂️


ここでのポイントはぶどうの仕立て方法と病害、フレンチパラドックスあたりが出題傾向になります😊


酒類概論編の問題集をやりながら覚えていきましょう❗️

ソムリエ試験対策問題集酒類概論編

次回は酒類概論 ワイン編を更新していきます❗️

それでは皆さん合格目指して頑張ってください💮

管理人 たきてん 

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