こんにちは、サケ・ディプロマたきてんです❗️


いつもご覧くださいましてありがとうこざいます😊


今回は 日本酒の造り方〜 酒母編 〜について解説していきたいと思います🍶


重要な部分だけを抽出して記事にしていますので是非参考にしてください❗️


それでは、今回も最後までゆっくりとご覧ください🤩



日本酒の造り方〜 酒母編 〜


1 酒母


酒母とは元気な酵母を健全に、実質純粋に、大量に培養する工程です。


また、醪を酸性に保つために必要な乳酸を適量含むことも酒母の重要な条件です。


 酒母と醪は似て非なるものです。


酒母が強い酸味や苦味があるのに対し、醪は最終的には飲用の場を想定して香味を整えます。


また、酒母の末期のアルコール分が10度~12度に対し、醪の末期のアルコール分は通常16度~18度台となっています。


さらに、麹歩合といった配合レシピを考えた場合、酒母が麹歩合33%であるのに対し、醪の麹歩合は22%程度と大きな差があります。


① 酒母室について


大半の酒蔵では、酒母室という独立した部屋を所有しています。


 酒母室は土足厳禁で、水溜りのできない乾燥した清潔な部屋でなくてはなりません。


室温が4~5℃位が理想とされます。


これは酒母の品温経過で、10℃以下にすべき期間があるためです。


酒母造りのポイントは、微生物をいかに淘汰して、添加する優良な日本酒酵母だけを数多く、純粋に、力強く育てるかということに尽きます。


酒母には色々な製造方法があるが、乳酸をどのように得るかによって、乳酸発酵を行わせる「生酛系酒母」と乳酸を添加する「速醸系酒母」 に大きく分けることができます。


 1)速醸系酒母の場合

前半は糖化に徹し、後半で増殖させます。


速醸系酒母は、仕込み当初に必要な量の乳酸を加え、酒母を雑菌が育成しにくい乳酸酸性として雑菌の増殖を防ぎながら、麹の酵素によって蒸米でんぷんを溶解、糖化させて糖分の蓄積をはかり、添加した優良酵母だけを純粋に培養する安全な酒母製造方法です。


速醸系は現在最も主流な酒母です。


速醸系酒母は、仕込み温度が18℃~20℃と比較的高温であるため、蒸米の溶解や糖化が早いです。


酵母の増殖が確認できるのは、「膨れ」と呼ばれるガスの発生であり、仕込み1週間前後です。


つまり、速醸系酒母は前半の1週間が糖化に徹する時期、後半の1週間が酵母を健全かつ大量に増殖させる時期といえます。


最後は、せっかく増やした酵母が死なないよう、7℃以下にして5日以内で使用されます。


 ② 酒母の材料と仕込み配合


酒母の材料は蒸米+麹+酵母+水です。


日本酒造りにおいて、仕込み配合あるいは歩合は極めて重要です。


それは発酵速度を大きく支配するからです。


 酒母の総米(麹と蒸米の合計)は、普通酒、本醸造及び濃醇な純米酒の場合、醪の総米の7%台が標準です。


<全体の総米1500k gの場合>


酒母の総米は1500×0.07=105kg


酒母の麹歩合は通常33%なので麹米の量は105×0.33=35kg


掛け米は105ー35=70kg


酒母に用いる水の量は、速醸系酒母の汲水歩合は110%なので105×1.10=115L


乳酸は汲水100L当たり650~700mlが標準であるため、650mlとすると650×115÷100=750ml


つまり、蒸米35kg+掛米(白米)70kg+乳酸750ml+汲水115L+酒母が速醸酒母の標準的な仕込み配合です。


③ 酒母1日目


1)水麹

麹の酵素をあらかじめ水中に溶出させるため、汲水に蒸米を投入する前に、汲水に乳酸、清酒酵母、麹を投入して混ぜ合わせることを「水麹」といい、仕込みの1~2時間前に行います。


乳酸と清酒酵母を最初に添加するのは、酵母には休眠による誘導期があることを考慮し、野生酒母が清酒酵母よりも先に活動する隙を与えないためです。


水麹により、麹の酵素の溶出が促進されます。


2)仕込み

水麹したものに蒸米を適度に放冷して投入混和し、予定温度にする操作を「仕込み」といいます。


3)汲みかけ

酒母を仕込んでから3~4時間すると、蒸米は吸水してリゾットのように、こんもり膨れてくるので、その中央に穴を掘って円筒を埋め、円筒内に深井戸のように留まる液(麹の酵素が溶けている液)を柄杓で酒母の表面の蒸米にふりかけ、蒸米を潰すことなく糖化を促進する方法を「汲みかけ」といいます。


また、汲みかけ法により、酒母の品温低下が早まります。


汲みかけを繰り返すことにより、当初白濁していた液も次第に透明になります。


通常一昼夜以内でもはや液が吸い込まれなくなり、蒸米の上に液が溜まってきたら終了し、汲みかけ器を抜いて、軽く攪拌します。


 ④ 酒母2日目 打瀬(打瀬)

酒母室の室温が4~5℃の場合、仕込みの翌日または翌々日の酒母の品温は7~8℃となっています。


この温度は酵母の増殖限界温度がそれ以下だからです。


打瀬とは、汲みかけ終了後から、はじめて暖気を入れて加温操作をするまでの期間をいいます。


打瀬の意義は2つあり、仕込み初日に、蒸米の溶解がかなり進み、栄養と水分に富んだ状態となります。


酒母の品温を下げ、雑菌が生える危険を避けることが1点目です。


もう1つは、速醸酒母の前半を糖化に徹するために、できるだけ早く品温を10℃以下に降下させることで、酵母の増殖を抑えることにあります。


 ⑤ 酒母3日~7日目  膨れ誘導


通常7日目であるが、酵母が増殖を始めると、発生した炭酸ガスにより、表面が軽く膨れてくる。これを「膨れ」といいます。


膨れとなるまでに酒母中の成分は酵母の増殖に適するよう、加温操作をして蒸米の溶解・糖化を促進し、成分を溶かし出します。


この打瀬から膨れまでに行う加温操作のことを前暖気といい、この時期を「膨れ誘導」といいます。


暖気を使って攪拌して全体の品温を2℃上げ暖気を抜き、その翌朝は品温が1℃下がり酵母の増殖を抑える、といったジグザグの温度経過を取ります。


 ⑥ 酒母6~8日目 膨れ


 初暖気を入れて3~5日目になると品温15℃以上に上昇し、芳香をはっするとともに、十分な甘味が出て糊味がなく、ブドウを思わせる甘酸の調和のとれた濃厚な味となってきます。


酵母の増殖も盛んとなり、炭酸ガスを放出して容積を満たしてくると同時に酵母表面に筋状の泡が現れてきます。


これを「膨れ」といいます。


通常1日で枠付きに導きます。


⑦ 酒母7~9日目 枠付き


膨れからさらに進み、酵母の増殖、発酵がいっそう盛んとなって炭酸ガスを放出し、酒母の表面が泡面になった状榜を「枠付き」といいます。


成分面では、膨れ時のボーメより1減少した時を枠付き開始とします。


ボーメが減少するのは酵母によって糖が消費されたからです。


 十分に枠付いたならば、暖気で品温を2~3℃上昇させて、さらに酵母の増殖を促進させます。


前半は糖化に注力していたのに対し、枠付き以降は、糖化ではなく酵母の健全な増殖に注力します。


 ⑧ 酒母9~12日目 枠付き休み


「枠付き休み」とは作業者の加温操作、暖気操作を休むことです。


酒母の品温経過で最高温度に3日間維持される期間、及びその前日のことを差します。


この時期は酒母の全面が本泡状態になり、酵母の増殖、発酵が最も盛んになります。


最高温度は酒母によるが、20~22℃で、25℃以上では酵母が死滅する危険性があります。


よい香気が感じられるが酸味や苦味や渋味が増していきます。                 


⑨ 酒母10~13日目  分け


枠付き休みの間に酵母は旺盛な増殖発酵を行うので、その結果としてアルコール分及び酸度が高くなります。


枠付き休み末期には高温になるためそのまま維持すれば酵母が衰弱を始めます。


そこで品温を下げて酵母が生存しやすくすることを「分け」といいます。


官能的には甘みが薄らぎ、わずかに辛味を生じた甘酸渋味(かんさんしぶみ)を感じる時を分け操作の目標とします。


酵母数は確実に最高値になっていなくてはなりません。


⑩ 酒母14日目以降  酒母の枯らし


もと分けから酒母を醪に使用するまでの期間を「酒母の枯らし」といいます。


もと分け操作後は出来るだけ急速に品温を下げ、3日後には約10℃、それ以降は7℃以下で「枯らす」ことが必要です。


 7℃というのは酵母をおとなしくさせるための温度です。


酒母の枯らしをいたずらに長引かせることは、酵母を衰弱させ死滅を招くため酵母の枯らし期間は作業上のバッファ(余裕)も考慮し、5~7日間が適当です。


こうして、日本酒用酵母を純粋かつ大量に培養した元気な酒母が完成します。



2 その他の酒母について


① 高温糖化酒母の場合         


より短期間で酒母を製造するため、麹の酵素がよりよく働く高めの温度で蒸米を短時間で溶かして糖化し、その後、冷却時に乳酸を添加し、これに純粋日本酒酵母を添加して育成したものを高温糖化酒母といいます。


ここでいう高温とは55℃前後であり、上がり過ぎれば酵素が失活してうまくいかず、逆に下がり過ぎれば、雑菌汚染に繋がる恐れがあります。


② 生酛系酒母を代表する、生酛と山廃酛の場合


生酛系酒母は、江戸初期には基本的な製法が確立されたと伝わる「生酛」と、明治期にその製法を変化させた「山卸廃止酛(山廃酛)」に代表されます。


いずれも乳酸菌の生成する乳酸によって雑菌の汚染を防ぐ酵母培養法。


乳酸菌の善玉菌を使用するために生酛系酒母の仕込みは通常、5~9℃程度の低温に置き行われます。


江戸期には「寒酛」と称された所以です。


一般的には濃醇かつ味わい深い酒を生むとされます。


1)山卸をベースとする生酛の仕込み

生酛の酒母造りでは、蒸米と麹を「半切り」という浅めの桶に入れてへらでよく混ぜ、さらに水を加えて混ぜ合わせる。これを「仕込み」「酛立て」といいます。


品温は5~6℃。


酛立てから数時間経過すると、蒸米と麹は仕込み水を吸収して膨張、水分はほとんど見られなくなります。


その後は数時間おきによく混ぜ合わせ、仕込みから半日ほど経過したら、2・3人がひと組になって櫂で半切り桶の中身をすりつぶします。


この作業を「山卸」あるいは「酛摺り」と呼びます。


最初の山卸は桶1枚あたり12~15分程度行います。


その後3時間ほどあとに二番摺り、さらに3時間ほどおいて三番摺りを行なうが、時間は5~7分くらいです。


これにより麹の酵素作用を促進させるのが目的です。


その後、半切り桶2枚分を1枚に合わせ折り込みをし、時折へらで攪拌します。


翌日、翌々日とさらに半切り桶を合わせていき、最後に物料すべてを酒母タンクに投入します。(酛寄せ)


ここで3日ほど5~6℃の低温に保ちながら攪拌して「打瀬」期間に入ります。


打瀬のあと、「暖気入れ(だきいれ)」をして糖化を進めます。


仕込み後約1週間後には、乳酸菌の増殖に伴って硝酸還元菌は次第に死滅し、つまり、亜硫酸もなくなっていきます。


さらに、乳酸菌は酸に弱く、自らが生成した乳酸によって減少します。


生き残っていた乳酸菌はやがて酵母が生成するアルコールによって死滅し、結果、多量の乳酸と清酒酵母だけが存在する酒母となります。


それから1、2週間、酒母中の後発酵によって発酵力の強い酵母にするための「枯らし期間」を設け、完成に至ります。


 2)山卸を廃止した山廃酛の仕込み

山廃酛の仕込みでは、山卸の作業を行わず「水麹」をその代わりとして使用します。


1909年に国の醸造試験所が行った実験で山卸の作業を行なった酒母と行わない酒母に成分的な違いが見られなかったことから実用化されました。


水麹を投入する蒸米は、事前に数時間さらして15~20℃に下げ、物料の品温が9℃前後になることを目指します。


生酛も同じだが、10℃以上では早湧き(乳酸が十分に生成される前に酵母が増殖を始めてしまうこと)の危険があり、5℃より低くなると硝酸還元菌や乳酸菌の働きが阻害されるため、品温管理は大きなポイントになります。


 3、4時間後からは随時「汲みかけ」をします。


これは、酒母タンクの中に刺しておいた汲みかけ枠の中に溜まった液を蒸米に振りかける作業です。


この液には麹のたくさんの酵素が含まれているので、液中の酵素と蒸米の接触を図り、蒸米の溶解・糖化を進めます。


また、自動汲みかけ器を使ったり、汲みかけを行わずに「荒櫂(あらがい)」に移るやり方もあるといいます。


通常、荒櫂は汲みかけ後、物料の均一化と品温降下を目的として行います。


荒櫂後、2、3時間ごとに2番櫂、3番櫂を入れるが、あまり櫂を入れ過ぎると糊状になって酵素作用が阻害されます。


低温での打瀬、暖気入れなどその他の酵母の育成方法は生酛とほぼ同じです。


3)秋田流生酛

酵母研究の第一人者で秋田の蔵元出身の小玉健吉の解説によると、秋田流生酛では半切り桶は用いず、山廃酛のように1本のタンクに仕込みます。


仕込み温度は14~15℃と生酛系としては高めです。


これにより、早湧きにならないように酒母麹を米の中心部まで入り込んだ総ハゼ麹とするなどしています。


また、電熱による行火(あんか)で温度調節をするのも特徴のひとつとされています。


 4)現代の生酛と山廃酛

明治末期、水麹の利用によって山卸と同じ効果が得られるとして、山廃酛が誕生しました。


現在酒母のシェアは速醸系が約90%、山廃酛が約9%、生酛約1%といわれるが、より豊かで複雑みのある香味を求めて、生酛系酒母に取り組む蔵は近年、少しずつ目立ってきています。


 一方、現代の山卸はいろいろで、櫂を使った手作業による酛摺り(もとすり)も見ることはできるがごくごく少ないです。


山卸の摺る方法や程度についての規定はないとされています。


5)昔の酒母育成法の復元ー菩提酛

菩提酛は、15世紀に行われていたと伝わる酒母造りの手法です。


使用する米の1割を炊き、残り9割の米の中に埋めて水を加えます。


3日ほど置くと、炊いた米から溶け出した養分によって乳酸菌が増殖して酸性となり、酵母も増えてぽつぽつ泡が見られるようになるといいます。


そこで、全体を濾し、生の白米は蒸して麹と濾した水を混ぜて仕込みます。


当時の日本酒は一段仕込みで、酒母造り=酒造りだったと思われ、発酵して出来上がったものを飲む場合、その酒は「菩提泉」と呼ばれました。


この手法は菩提山正暦寺にて確立されました。


その技術は確かなもので、菩提泉は麹と掛米の両方に白米を使用する「諸白造り」だったようです。


近年、奈良の蔵元約10件によって、菩提酛による酒造りが復元されています。


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サケ・ディプロマ編も最後までご覧くださいましてありがとうこざいます💮


今回も出題傾向に合わせてかなり圧縮した内容となっていますので重要ポイントを抑えつつ、クイズや問題集を解いていくと覚えやすいと思います😊


次回は 日本酒の造り方〜 醪編 〜について解説していきたいと思います⭐️


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それでは合格目指して頑張ってください🈴



管理人 たきてん

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