1 実技試験内容について
実技試験ではパニエを使用したデカンタージュサービスが出題されます。
そのほかのサービス内容は出題されませんのでパニエ式のサーブについて解説していきます。
ソムリエ協会会員の方であれば動画コンテンツから模範演技を視聴する事が可能ですので、出来ればそちらも参考にしてみるとかなり分かり易いと思います。
まず、試験本番では何人かのパーティーに分かれて行われます。
試験会場に入ると向かって正面に試験官が2〜3人います。軽く説明を受けて実技に入りますが、重要な事は「時間内に終わらせる事」です。
はっきり言ってしまえば、よほどの事がない限り三次試験で不合格になる人は居ません。私の知り合いでワインを溢したりグラスを倒したりしても合格している人はたくさん居ます。
とにかく落ち着いて、かつ迅速にサーブする事が求められます。
制限時間は7分しかありません。かなりテキパキこなさないと間に合いませんので時間配分に注意しましょう。
2 デカンターを使用したサービスの流れ
① 静かにワインをパニエに入れる
試験ではサービステーブルから離れた所に出題ワインが用意されています。澱が沈殿している可能性を仮定してワインを動かさないようにパニエに入れ、サービステーブルへ戻ります。
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② 作業がしやすいようにサイドテーブルを使用する。
こちらはソムリエ協会の動画で紹介されていますが、実際の試験では使用しませんので飛ばして大丈夫です。
③ プレゼンテーションをする
プレゼンテーションとはお客様にワインの銘柄や特徴をお伝えすることです。ポイントはパニエからは取り出さないでそのまま伝えましょう。
「⚪︎⚪︎(ワインの銘柄)の⚪︎⚪︎年ヴィンテージでございます」と伝えます。複数名で同じ動作をするので声が被りますが気にしないようにしましょう。
④ デカンタージュの許可を得る
デカンタージュする際は「こちらのワインを美味しく飲んで頂くためにデカンタージュをさせて頂きます」と言い切る形でお客様に了承を得ましょう。
ワインをサービスする際、ソムリエにはそのワインがデカンタージュの必要性があるかを判断してから提供する義務があります。
⑥ サービスにはトレイを使用する
器具類が離れたテーブルに用意されているのでトレイを使ってサービステーブルに移動します。
グラス、デカンターなどの汚れチェックをわりと大げさに確認し、汚れがあれば取り替えましょう。
基本は全て綺麗な状態のはずです。
⑥ワインに適したデカンターを選ぶ
古いワイン=縦長デカンター、若いワイン=横長デカンターを選びましょう。試験では縦長デカンターが用意されていると思いますのでそちらを用意します。
⑦器具・備品をセッティングする
お客様用のグラス、テイスティンググラス、小皿1枚、ナプキン1枚、ボトルコースター2枚、デカンター、光源を用意し、サービステーブルに置きますが、これらは自分のやり易い形で問題ありません。
お客様のテーブルにグラスをセッティングする際に「失礼します」と声をかけ、右手側にグラスを置きます。(一般常識としてサービスは右側から)
⑧ワインを抜栓する
キャップシールとコルクを抜いた時に紙ナプキンで口を拭きます。キャップシールは2アクションでカット出来るようにし、その後ポケットにしまいます。これがなかなか難しいので何回か練習した方が良いです。
1回目のカットのアクションをなるべく大きく取り、2回目のアクションで残りをカットします。更に、縦に切り込みを入れてそこからキャップシールにナイフを当てて剥がす要領です。
コルク抜栓も出来れば2回引き抜きで終わらせましょう。
コルクを抜いたらナイフを取り、コルクの香りをチェックします。
これはブショネのチェックで、香りに問題がなければ「コルクは健全な状態です」とコメントします。このタイミングで瓶の口を紙ナプキンで拭きます。
⑨ ソムリエのテイスティング
お客様の了承を得てソムリエがテイスティングします。
「お味見させていただいてよろしいでしょうか」と了承を得ます。
テイスティンググラスにワインを注ぎ、香りを確認します。
ワインの香りが健全であるかを確認します。テイスティングの量は最低限に留めましょう。
香りに問題なければデカンターにグラスのワインを注ぎリンスします。
これはカルキ臭の除去のためワインでリンスする事で香りが他の臭気に邪魔されなくなります。
リンスが終わったらデカンターのワインをグラスに戻しテイスティングをします。ここでのポイントとしては飲む前にリンスをする事です。
今度はワインの味わいを確認します。
ソムリエがテイスティングし、ワインの状態をお客様に伝えます。
「ワインは素晴らしい状態です」または「ワインは健全な状態です」
⑩デカンタージュする
まず、光源を用意します。
ろうそくを使う場合はデカンタージュの前に火を付けますが、試験ではペンライトを使用します。
これは光源でワインを照らす事で澱の状態を把握できるからです。
パニエから瓶を取り出し、空気を含ませるようにデカンタージュをします。
猫背にならないよう注意し、光源がワインと目線の重なる位置で行いましょう。
若いワインでも澱がある場合があるので光源を使って内部を確認しましょう。
古いワインはゆっくりと細く注ぎ入れ、澱が入らないようにします。
澱の有無を確認してワインを注ぎ終えます。試験で出題されるワインは3年程度のヴィンテージなので澱はほぼありません。
ですので全てデカンターに注ぎ入れて「澱はございませんでした」と伝えます。
もしも澱がある場合はほぼ1cm程度残し「澱がございました」と伝えます。迷った場合は全て注ぎ切ってしまいましょう。
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/6642/
11) コルクの提供
コルクを小皿に入れてお客様にお出しします。
「コルクでございます」とホストにコルクの状態を確認して頂きます。これはワインが健全である事をホストにも確認して頂く意味合いがあります。
12) ホストにテイスティングして頂く
ホストに味見をして頂きます。
「お味見をお願いします」とホストのお客様へサービスしましょう。試験的には省略される場合があります。
その後、問題がなければお客様へサービスします。
最後にホストへサービスします。
ゲスト→ホストの順でサービスしましょう。
13)お客様に声を掛けて下がる
「ごゆっくりお楽しみください(ませ)」
と声を掛けて光源をしまいます。
ろうそくの場合、火は煙が立たないように消します。
お客様の了承を得てコルクを下げます。
「コルクはお下げしてもよろしいでしょうか」
その後、器具をさげる際はトレンチを使って手早く下げます。
お客様の了承を得てワインとデカンターの下にボトルコースターを敷き、テーブルに置きます。
「ワインはテーブルに置いてもよろしいでしょうか」とお伺いし、ボトルラベルがお客様に見えるように置きます。
(試験では使用しませんが、ここでサイドテーブルを下げます)
14) 実技終了を告げる
「終了しました」と試験管に告げます。これで実技試験は一通り終了となります。
出題されたワインはお土産に持ち帰ってくださいと言われます。
最後までご覧くださいましてありがとうこざいます💮
今回も出題傾向に合わせた内容となっていますので重要ポイントを抑えつつ、自宅でタイムを測りながらトレーニングしてみましょう😊
それでは、合格目指して頑張ってください🈴
管理人 たきてん