こんにちは、ソムリエたきてんです❗️
いつもご覧くださいましてありがとうこざいます😊
今回は チーズ編 〜チーズ法〜 について解説していきたいと思います🍷
重要な部分だけを抽出して記事にしていますので是非参考にしてください❗️
それでは、今回も最後までゆっくりとご覧ください🤩
チーズ
1 ワインとチーズ
ワインに合う食材と聞かれたらほとんどの方がチーズと答えるでしょう。
それは昔から伝統的に欧米ではパンとチーズとワインを食べる食習慣があるからで、その相性は抜群です。
フランスでは「1つの村に1つのチーズあり」と言われ、イタリアではチーズを担保にお金を借りる事が出来るほど重要な食材なのです。
それぞれの土地の風土に根ざした地方色豊かなチーズが世界中で造られていて、その種類は1000種類を超えます。
ワインの個性を捉えて相性の良いチーズをご提案できればさらにより良いサービスがお客様に提供できます。
基本的には料理に合わせる時の考え方と一緒で、「産地」「味の濃さ」「風味」「色」を考えて合わせればそこまで難しくはありません。
「産地」については同じ産地のもの、もしくはより近い産地のものを合わせるのが原則です。
「味の濃さ」については塩味の強いチーズには酸味のあるワインか甘口のワインが調和を取ってくれます。
「風味」についてはデリケートな香りを持つワインには、あまり匂いの強いチーズは合わせないようにします。
「色」について、基本的にチーズには赤ワインが合うとされますがフレッシュな色合いのチーズには白ワインやスパークリングワインとの相性が抜群です。
チーズの知識があればソムリエとしてサービスの質が格段に向上します。
ちなみにソムリエになった方の中にはチーズの資格を合わせて取得する方も多いようです。
NPO法人チーズプロフェッショナル協会が認定するC.P.A.チーズプロフェッショナルという資格が有名ですね。
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2 チーズの定義
チーズとは乳を原料として乳酸菌や凝乳酵素などによって凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を取り除いたもの、またはそれらを乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたものです。(一部熟成させないものもあります)
凝乳酵素はレンネットとも呼ばれ、たんぱく質のカゼインに働いて乳を凝固させます。
ホエイとはチーズを造る際に出る水分の事です。
3 チーズの歴史
チーズはメソポタミア文明で誕生したと考えられています。
最初の物語として、昔アラビアの商人が果てしなく広がる砂漠を横断する長旅に備えて、羊の胃袋で作った水筒に乳を入れて暑い砂漠を歩いているといつのまにか乳が白い塊と水分に分かれていました。
それを食べてみると美味しかった事がチーズの始りと言い伝えられています。
その後、ローマ帝国が隆盛した際に、派遣されたローマ軍の兵士たちは行く先々でインフラを整備するだけでなく、ローマ式の食習慣「パンを焼き、ワインを飲み、チーズを食べる」生活を広めました。
ワインと同じく中世のチーズ作りは修道院が大きな役割を果たし、修道院由来のチーズが各地に伝承していったのです。
4 チーズの分類
① フレッシュタイプ
フランスではFromage fais (フロマージュ・フレ)と表現します。
ミルクを乳酸菌や凝乳酵素を使って固め、ホエイ(乳清)を排出しただけの熟成していない作りたてのチーズです。
水分服有量が多く、加塩していないものやペースト状、生クリームが添加されたものもあり、製菓材料や料理に使われることも多いチーズです。
代表的なものはカッテージチーズやクリームチーズ、マスカルポーネ、リコッタチーズなどです。
② 白カビタイプ
フランス語ではFromage a pate molle a croute fleurie( フロマージュ・ア・パット・モール・ア・クルート・フルーリー):中身が柔らかく、白カビをまとったチーズ、と表現されます。
若いタイプの白カビチーズは全体に白いカビで覆われるが、熟成が進むと白カビ菌が分解したタンパク質がさらに熟成してアンモニアが生成されます。
表面の環境が酸性から弱アルカリ性に傾いてくると、酸性の環境が好みの白カビ徐々に枯れて茶褐色に変色し、風味も複雑に変化します。
代表的なものはカマンベールチーズやシャウルス、ヌーシャテル、ブリ・ド・モーなどです。
③ ウォッシュタイプ
フランス語ではFromage a pate molle a croute lavee(フロマージュ・アパット・ア・モール・ア・クルート・ラヴェ):中身が柔らかく、表面を洗ったチーズ、と表現されます。
昔、チーズを藁の上で熟成させていたことから、表面に繁殖してきた雑菌を塩水やお酒でこすり落とした際に、藁に付着していたリネンス菌が湿り気を好むことから、オレンジ色のネバネバとした表皮を形成し、独特の風味のウォッシュチーズが生まれたと言われます。
洗う回数が多いチーズほど風味が強くなり、表皮の色もオレンジや赤い色が強くなります。(お酒で洗った方が風味は強くなる)
なかにはかなり匂いの強い物もあるので通向きのチーズと言えるでしょう。
代表的なものはエポワス、ショーム、タレッジョ、ラングルなどですが、価格が高いものが多いのであまり馴染みの無い方が多いと思います。
④ シェーブルチーズ
フランス語ではFromage de chevre ( フロマージュ・ド・シューブル):山羊乳製チーズ。
昔、戦争でイスラム教徒軍が敗戦した際に、山羊をロワール川流域に置き去りにして退散したため、ロワール川流域において「シューブル」は「イスラム教徒の置き土産」と呼ばれています。
大型のチーズが作りにくいので小型のチーズが多いのが特徴です。
山羊の乳にはカロテンという成分が少ないため、真っ白い生地になります。
山羊特有の強い個性のある風味があるので病みつきになる人も多いと言われています。
代表的なものはヴァランセ、サント・モール・ド・トゥレーヌ、セル・シュール・シェールなどです。
⑤ 青カビタイプ
フランス語ではFromage a pate persilee( フロマージュ・ア・パット・ペルシエ):中身がパセリ状のカビのチーズ、と表現されます。
代表的な青カビ菌はペニシリウム・ロックフォルティです。
この青カビ菌は好気性で、チーズの内部に青カビを繁殖させる隙間を開けるためプレスしないで形成していきます。
さらに内部に空気の通り道を作るため、金串で穴を開けてから熟成庫で熟成させます。
よって青カビの組織はもろく崩れやすいのが特徴です。
また、青カビは強い塩分濃度下でも繁殖を好む好塩性の菌の為、他のチーズより塩味を強く仕上げています。
熟成中青カビの出す脂肪分解酵素によりピリッとしたシャープで刺激的な風味が強くなります。
青カビタイプのチーズ(ブルーチーズ)は風味が強烈で味も濃厚、塩味も強いので好き嫌いが大きく分かれます。
代表的なものはゴルゴンゾーラ、フルム・ダンベール、ロックフォールなどです。
⑥ 非加熱圧搾タイプ(セミハードタイプ)
フランス語ではFromage a pate pressee non cutie(フロマージュ・ア・パット・プレッセ・キュイ):加熱せずにプレスしたチーズ、と表現します。
圧搾タイプとはプレスして作ったチーズのカテゴリーです。
非加熱とはチーズ製造の際、カードをカットして攪拌していくときに温度を40℃以上にせず製造するチーズのことです。
⑦ 加熱圧搾タイプ(ハードタイプ)
フランス語ではFromage a pate pressee cuite (フロマージュ・ア・パット・プレッセ・キュイ):加熱してプレスしたチーズと表現します。
チーズ製造の際、攪拌していくときに、温度を40℃以上に上げて水分の放出を促すと、より引き締まった生地となり、長期熟成に向くチーズに仕上がります。
コンテやボーフォールなどは53℃パルミジャーノ・レッジャーノは55℃超まで温度を上げて作られます。
長期熟成することにより水分服有量が少なくなることからハードタイプに分類されます。
なお、半加熱式圧搾とはカードを40℃以上50℃未満で製造するチーズのことをいいます。
代表的なものにコンテ、アボンダンス、グラノ・パダーノなどがあります。
⑧ その他のチーズ
イタリアではモッツァレラに代表されるPasta filata (パスタ・フィラータ)がある。カード(生地)を発酵させた後、細かく裁断し、お湯をかけて練って引き伸ばしてつくるチーズです。
フレッシュな状態のモッツァレラの他、紐で吊るして乾燥させたプロヴォローネやカチョカヴァッロ等があります。
5 チーズ法
① 法律の歴史
1952年主要チーズ生産8カ国(フランス、イタリア、スイス、オーストリア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)が「ストレーザ協定」を締結しました。
1992年EUがA.O.CやD.O.C制度をベースにEUの品質保証システムを創設する。尚、EU未加入のスイスは2000年より独自にA.O.C制度を創設しました。
② EUの品質認証制度
EUでは高い水準を保証するために断固とした要件を課しており、安全な食品を保証するための厳格な衛生規定のほか、EUの高品質な欧州製品を保護・継承する為の食品の品質認証制度を制定しています。
1)原産地呼称保護=P.O.D
2)地理的表示保護=P.G.I
3)伝統的特産品保証=T.S.G
こちらはワインの品質分類に通じる部分があります。
6 EU品質認証マーク
① P.D.O 原産地名称保護
製法や産地を保護するものの中で認定条件が最も厳しいカテゴリーです。
② P.G.I. 地理的表示保護
原材料の一部が他の地域からのものでも1つ以上が指定地域内の生産であれば許されます。
③ T.S.G. 伝統的特産品保証
伝統的なレシピや製法に基づいて製造された製品であることを保証します。
④ Organic Farming EU産有機農産物マーク
EU内で包装済みのすべての有機食品に対する表示が義務化されています。
7 フランスA.O.C農産物
A.O.C 原産地呼称統制
フランスの国立原産地・品質研究所、略称 I.N.A.O.という機関が申請を受けて許可しています。
A.O.C に認可された農産物はワインが最も多く、乳製品でチーズが現在45種、バターが5種、クリームが2種認定されています。
<A.O.P 認可のチーズの条件>
① 原料乳の種類、産出地域
② 製造地域と製造方法
③ 熟成地域と熟成期間
④ 形、重量、外皮、乳脂肪成分
8 チーズ編の重要ポイント解説
・チーズの種類とそれぞれの製造法について、特にハード、セミハードチーズタイプの温度の違いは抑えておきましょう。
・チーズに関する法律とストレイザー協定の参加国と年号は重要ポイントです。
・EU品質認証マークの種類も画像を見て判断できるようにしておきましょう。
・フランスのAOCに認可された農産物の内訳も覚えておきましょう。
以上が出題傾向となり、試験ではおよそ2〜3問の出題と推測されます。
9 チーズ編の試験対策問題
① チーズ編試験対策問題10問
1) 乳清とは別名何と呼ぶか
2) 青カビタイプのチーズを造る際に用いられる菌は何か
3) セミハードタイプチーズの生地を攪拌する時の温度は何度か
4) ウォッシュタイプのチーズの製造法は何か
5) シューヴルタイプのチーズが真っ白い色が特徴なのは何故か
6) シューヴルタイプチーズの名産地となった地域は何処か
7) 「イスラム教徒の置き土産」と呼ばれているチーズは何か
8) カチョカバッロはどの種類に属するか
9) 1952年に主要チーズ生産国8ヵ国が締結した取り決めを何というか
10) EUの品質認証で最も厳しいものは何か
最後までご覧くださいましてありがとうこざいます💮
今回も出題傾向に合わせてかなり圧縮した内容となっていますので重要ポイントを抑えつつ、クイズや問題集を解いていくと覚えやすいと思います😊
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次回は チーズ編 〜チーズ産地〜 について解説していきたいと思います⭐️
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それでは合格目指して頑張ってください🈴
管理人 たきてん
② チーズ編試験対策問題10問回答
1) ホエイ
2) ペニシリウム・ロックフォルティ
3) 40℃未満
4) 表面を塩水やお酒で洗いながら熟成させる
5) カロテンが少ないから
6) ロワール川流域
7) シューヴルタイプチーズ
8) パスタフィラータ
9) ストレイザー協定
10) P.D.O 原産地名称保護