こんにちは、ソムリエのたきてんです😊
いつもご覧くださいましてありがとうこざいます⭐️
今回はオーストリアについて解説していきたいと思います🍷
ここでのポイントはワイン法と重要産地、ツヴァイゲルトなどが出題傾向となります。
今回も最後までゆっくりと見ていってください🤩
オーストリア
1 概論
オーストリアはドイツ、イタリア、スイスなど7カ国に隣接しており、国土面積は北海道と同程度の小国です。
更に国土の47%を森林が占めており、ヨーロッパで最も森林の多い国です。
そんなオーストリアのブドウの栽培面積は5万2000haでフランスの銘醸ワイン生産地であるブルゴーニュより少し大きい程度で生産量は世界全体の1%程しかありません。
オーストリアのワイン産地は国土の東部に集中しています。
最大の産地ニーダーエスタリッヒ、ブルゲンランド、そして首都ウィーンを含む19の産地でワイン作りが行われています。
緯度はブルゴーニュのコート・ド・ニュイと同じですが、パノニア気候の影響によりブルゴーニュに比べて寒暖の差が激しいのが特徴です。
2 重要歴史
1784年
皇帝ヨーゼフ2世によって、ワイン農家が直接ワインを売る事が認可されました。
1860年
アウグスト・ヴィルヘルム男爵はクロスターノイブルクに最初の醸造学校と研究センターを設立し、1874年にそれは国家の管理するところとなり、1902年以来ブドウ及び果実酒栽培・醸造連邦大学となりました。
これは公式には世界で最初の栽培醸造学校で、帝制時代を通して、これをモデルとして同様の研究機関が出現しました。
1869年
KMWの測定法が開発されました。
1907年
オーストリア最初のワイン法が施行されました。
ワイン生産において、法によりなにが認められるかが記載され、人造ワインの生産は禁止されました。
1922年
クロスターノイブルク果樹園芸大学のフリートリヒ・ツヴァイゲルト教授は、地場品種であるSt. ラウレントとブラウフレンキッシュの交配に成功し、オーストリアのもっとも重要な新種、ブラウワー・ツヴァイゲルトを創り出しました。
1985年
オーストリアワインに違法な添加物であるディエティレン・グリコールが混入されていることが発見された後、ワインスキャンダルはバルクワイン価格の法外な落下を引き起こしました。
続いて、オーストリアワインの輸出は一夜にして消滅し、それから一年以内に、オーストリアワインを監督検査するための、新らしい厳格なワイン法が導入されました。
1986年
オーストリアワインマーケティング協会設立。
オーストリアワインのイメージと売上振興にあたりました。
1995年
オーストリアのEU加盟に伴い、ECワイン法が認められました。
3 ブドウ主要品種
① 白ブドウ
1) Grüner Veltliner グリューナー フェルトリーナー
グリュナー フェルトリーナーは、オーストリアで最も栽培されている白ブドウです。
特にニーダーエステライヒとブルゲンラントで栽培されています。
オーストリアを代表する重要な品種で、白ブドウのトラミネールと交配して生まれたとされています。
とても樹勢が強く、多くの実をつけることができるので、収量の調整が必要です。
比較的淡い色のワインが多く、香りは白胡椒や青いハーブの香りが特徴です。
味わいはフレッシュな酸味とキレがあり、ミネラリーなタイプが多く生産されています。
オーストリア以外では、ドイツやチェコでも栽培されています。
2) welschriesling ウェルシュリースリング
北イタリア原産の白ブドウで、オーストリアでは二番目に広く栽培されている品種です。
イタリアではリースリング イタリコと呼ばれています。
豊かな酸味を持ち、柑橘的な香りと繊細な味わいが特徴的です。
辛口から甘口、スパークリングなど様々なタイプのワインが生産されています。
ハンガリーやクロアチアでも栽培されています。
② 黒ブドウ
1) Zweigelt ツヴァイゲルト
1922年にフリッツ ツヴァイゲルト博士によって開発され、オーストリア国内で広く栽培されている黒ブドウです。
ブラウフレンキッシュとサン ローランの交配品種です。
フルーティーな香りを持ち、タンニンが強いことが特徴です。
熟成を経ていない早飲み用のワインもあれば、小樽で熟成された高級ワインなど、幅広いワインが生産されています。
ハンガリーやチェコ、日本でも北海道など寒冷な地域で栽培されています。
2) Blaufränkisch ブラウフレンキッシュ
ブラウフレンキッシュは、ブラウアー ツィメートトラウベとヴァイサーホイニッシュの交配品種で、色々な品種の交配にも使われています。
ドイツではレンベルガーと呼ばれています。
晩熟で、スパイシーさがあり、タンニンが豊富で長期熟成に似ている黒ブドウです。
4 ワイン法と品質分類
基本的にはドイツと同じ階層構造となっていますが、ガビネットはプレディカーヴァインに含まれないこと、アウスブルッフとシュトローヴァインという独自の階級があります。
① プレディツカーヴァイン
最上級の品質で補糖、ズースレゼルヴェ添加不可。
ALC9%以上、7つの階級があります。
1)アウスブルッフ
樹上で乾燥した貴腐ブドウでルスト村で造られるワイン
2)トロッケンベーレンアウスレーゼ
樹上で乾燥した貴腐ブドウで造られるワイン
3)シュトローヴァイン(ドイツにはありません)
藁の上で自然乾燥したブドウで造られるワイン
4)アイスヴァイン
凍結したブドウで造られるワイン
5)ベーレンアウスレーゼ
粒を選んで造られるワイン
6)アウスレーゼ
房を選んで造られるワイン
7)シュペートレーゼ
遅摘みしたブドウで造られるワイン
② ガビネット
2番目の高品質でKMW17度以上。
ALC13%以下です。補糖は不可。
③ クヴァリテーツヴァイン
KMW15度以上。補糖可。ALC9%以上です。
単一の指定された品種を原料とします。
④ ラントヴァイン
KMW14度以上。収量制限あり。
地理的表示付きテーブルワインです。
⑤ ヴァイン
ヴァインは品種名、ヴィンテージ表示なし。
日常消費用テーブルワインです。
※①〜③はg.U. ④はg.g.A ※
ベルクヴァイン
品質分類外の名称。急斜面から造られるワインです。
※アウスブルッフはルスト村で造られるワインのみアウスブルッフを名乗れます。
(内容はトロッケンベンアウスレーゼと同じです)
5 主要産地
産地は大きく分けてニーダーエスタライヒ州、ブルゲンランド州、シュタイヤーマルク州、ウィーン州に大別できます。
https://www.kirin.co.jp/entertainment/wine_academy/knowledge/region/austria.html
① ニーダーエスタライヒ州
オーストリア東北部にあり、国内栽培面積の約6割を占めます。
主な主要栽培地にヴァッハウ、グリューナー・ヴェルトリーナーの里と呼ばれるヴァインフィアテルDACがあります。
ヴァッハウDAC、クレムスタールDAC、カンプタールDAC、ヴァインフィアテルDAC(最初に出来たDACで最大産地)、トライゼンタールDAC、ヴァーグラムDACが代表的なDACです。
② ブルゲンラント州
オーストリア東部にあり、国内栽培面積の約3割を占めます。
赤ワイン50%はこのエリアの生産で、アイゼンベルクDACはブルゲンライト州で最も小さな地域です。
ノイジードラーゼ DAC、ライタベルクDAC ミッテルブルゲンラントDAC(ブラウフレンキッシュの代表産地)が重要産地です。
③ シュタイヤーマルク州
スロヴェニアとの国境地域です。
ソーヴィニヨン・ブランが主体です。
シルヒャーラントDACはロゼワインのシルヒャーで有名な産地です。
④ ウィーン州
ホイリゲ(新酒)と呼ばれる居酒屋が数多くあります。
発酵中の白濁したワイン(シュトゥルム)を飲む習慣もある。
ゲミシュター・サッツという伝統的なワインが有名です。
ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDAC(ウィーン)は2013年から最も新しいDACで、3種類以上の混醸、混植で1つの品種が50%までと決められています。
6 Wachau ヴァッハウ地域の品質分類
① Smaragd スマラクト
辛口高級ワインで「エメラルド色のとかげ)から命名されました。 シュペレート級のブドウから造られます。
② Federspiel フェーダーシュピール
「鷹狩りの道具」から命名されました。カビネットのランクです。
③ Steinfeder シュタインフェーダー
最も軽快なタイプで「きゃしゃな野草」から命名されました。 クヴァリテーツヴァインのランクです。
7 その他
ウィーンの伝統的なワインで複数の品種が混植、混醸されたものをGemischter Satz (ゲミシュター・サッツ)といいます。
以上、今回も最後までご覧くださいましてありがとうこざいます😄
今回も出題傾向に合わせてかなり圧縮した内容となっていますので重要ポイントを抑えつつ、クイズや問題集を解いていくと分かりやすいと思います❗️
次回はブルガリアについて解説していきたいと思います☆
それでは合格目指して頑張ってください!
管理人 たきてん